#03 ミネラル
ミネラルは元素の総称

ミネラルという言葉は日常的に、非常にあいまいに使われています。
定義としては「元素のうち、生体の主要成分である酸素、炭素、水素、窒素を除いたもの」
とされています。

私たちの体の90%は、その4つの元素からできています。
ミネラル(無機質)はこの4つの元素以外の元素の総称です。


■カルシウム
強い骨をつくる。日本人に最も不足しているミネラル


体重50kgの人で約1kgのカルシウムがあり、その99%は骨や歯をつくっています。
残りの1%が血液中や筋肉や神経神経などにあり、精神安定剤のはたらきのほか、
筋肉を収縮させて心臓を規則的に正しく活動させます。
不足するとビタミンDがはたらいて、骨からカルシウムを放出させ、血液中のカルシウム濃度を一定に保ちます。

骨質が薄弱になると、腰痛、肩こりがみられ、骨がスカスカになっていきます。
また、血行に支障をきたし高血圧や動脈硬化の原因にもなります。
→ カルシウムが豊富な野菜類 : コマツナ 大根葉


■マグネシウム
循環器系の健康を守る。カルシウムとのバランスが重要


骨を作るときに、カルシウムと一緒にはたらくミネラルです。
筋肉の働きにも両者が関わりあっています。筋肉の収縮はカルシウムが筋肉細胞に入ることで起こるのですが、
マグネシウムはそのカルシウムの動きを調節しています。
マグネシウムが不足すると、筋肉が正しく収縮せず、痙攣、不整脈などの原因になることもあります。

カルシウムとマグネシウムの理想のバランスは2対1から3対1。
ただし、カルシウムを摂取しすぎると、マグネシウムの吸収を阻害します。
不足すると、筋肉への影響だけでなく、疲労感や神経が興奮しやすくなる状態をもたらします。
→ マグネシウムが豊富な野菜類 : ナッツ類 豆類 ホウレンソウ


■鉄
血液となって酸素を運ぶ。不足すると貧血に


貧血の90%は鉄欠乏によるもの。吸収率が8%前後と極めて低いミネラルのため、
症状が現れない潜在的な鉄欠乏状態の人も多くいます。
コーヒー、緑茶、紅茶の多飲も鉄欠乏を招きます。

男性や閉経後の女性に鉄の欠乏は多くありません。
→ 鉄が豊富な野菜類 : ホウレンソウ コマツナ


■亜鉛
発育を促進し、味覚や嗅覚を正常に保つ


「料理の味が薄く感じる」「髪が抜けやすくなった」「肌がかさつく」
などの状態は、亜鉛不足が一因だと考えられます。
ファーストフードに偏った食事や、極端なダイエットが亜鉛不足を招きます。

不足すると、細胞分裂がはかどらないので、
上記以外にも傷の治りが遅くなったり、爪に白い斑点がでたり、胃腸障害もみられるようになります。
生殖機能が正常に保つ、免疫力を高めるなどの重要な役目を担っています。
子供では、発育が遅れ、身長も伸びにくくなります。



■銅
鉄と一緒に貧血予防。骨や血管壁を強化


鉄が充分にあっても銅がないと、貧血になります。鉄はそのままではヘモグロビンの合成に利用できないので、
それを助ける銅の存在が重要です。
不足すると、貧血のほか、髪や皮膚の色が抜け落ちる脱色が起こります
乳児の成長、骨強度や白血球細胞の成熟、コレステロールや糖の代謝、脳の成長など
多彩な作用をもたらします。



■セレン
亜鉛と一緒に過酸化脂質の発生を抑制


抗酸化作用があり、同じ作用のあるビタミンEとともに働いたとき、効果が増します。
特に肝臓で抗酸化作用を発揮するので、飲酒の機会が多い人は、
アルコールによる消費が激しい亜鉛と一緒に、摂取することを心がけてください。
→セレンが豊富な野菜類 : ねぎ


■クロム
糖質と脂質の代謝。インシュリンの働きを活性化


糖質がエネルギーに変わるのを補助します。
血液中の糖をエネルギーに変えるのはインシュリンですが、その働きを活性化させます。
そのため、不足すると血糖値の調整がうまくいかず糖尿病のような症状が現れることも。
脂質においても、代謝を促進することで血液中の脂肪の増えすぎを押さえ、動脈硬化や高血圧を予防します。
→ クロムが豊富な野菜類 : 穀類


■マンガン、モリブデン、ヨウ素
その他の微量ミネラル


マンガンは、肝臓で働く酵素の活性化や、糖質、たんぱく質の代謝に関わっています。
モリブデンは、糖質、脂質の代謝、また尿素の代謝にも関わっています。
ヨウ素は、汗や体温をコントロールする甲状腺ホルモンの生成に必要です。
不足すると甲状腺ホルモンの働きを弱め、
エネルギー代謝を高めたり、皮膚や爪などを健康に保ったりする働きの低下を招きます。

参考文献
主婦と生活者 栄養成分バイブル 監修:中村丁次/ファンケル ESPOIR/