#03 チェック体制に改善の余地
数年前、神戸税関で、輸入を禁じられた外国産タマネギが、

▲ラッキョウ。 管理コスト削減のため、 雨ざらしのまま放置されていた

▲グレープフルーツ。 すでに輸送の段階で 傷んでしまったが、 加工食品として使用されていた。

輸入ワラビ。
薬品できれいに再生され、日本各地の名産品として売られた。
腐っていたにもかかわらず強引に陸揚げされ、
ソースに化けるという恐ろしい事件があったそうです。
原料が見えない製品と、コスト至上主義が結びつくと、
どんな怖いことになるのかのよい見本ではないでしょうか。
数年前の輸入バナナの税関検査。
サンプル抽出した約1割りのバナナを倉庫の机の上に並べ、手にとって眺めます。
…眺めるだけだったそうです。
じーっと眺めてわかるレベルに
「安全チェック」の概念がとどまっていたのです。
燻蒸など科学的な影響力については
まったくノーチェックという現状だったそうです。
1993年当時、
腐敗や虫など、防疫面の担当者が全国に600人いたのに、
厚生省の分担である科学的安全面にはわずか70人程度。
巨大な横浜港に、7人しかいない状態だったそうです。
燻蒸の実体が暴かれた横浜港の倉庫では、
小船で船の沖に出かけ、船倉でコソコソ燻蒸していたらしいのです。
これじゃあ、あかんよね。
■現在のチェック体制にも
現在では野菜を含めた食品については、
全国の主要な港や空港31カ所に設置された厚生労働省の検疫所が、水際での検査にあたっています。
ところが、輸入野菜だけで300万トン近くもあるにもかかわらず、
食品衛生監視員は、少ないんですね。
総勢260人ほどらしいのです。
税関行政研究会の大槻敏彦事務局長は、
「99年の統計で、食品衛生監視員が実際に行った食品検査は全体の7.7%。
検査率は10年前の半分以下に落ち込み、
輸入の激増にほとんど対応できていない」
という実状を指摘しました。
2001年においては食品検査は全体の6.8%。
そのうち992件(検査を行ったうちの1.1%)が食品衛生不適格となり、積み戻しまたは廃棄などの措置が行われました。
これに対し、厚生労働省保険部のある衛生専門官は
「すべての食品に対し書類審査を行っており、
過去に違反のある業者については100%命令検査をしている。
事前の輸入相談や情報収集で
違反を未然に防ぐ努力もしているので問題ない」
と言っているそうです。
書類審査?どれくらいのものなんだろう?
■書類審査とは
行われる書類上の審査とは、
(1)食品衛生法に規定される製造基準に適合しているか
(2)添加物の使用基準は適切であるか
(3)有毒有害物質が含まれていないか
(4)過去に衛生上の問題があった製造者・所であるか
といった項目です。
ここでさらに検査の必要がある場合にのみ、
食品の変色や異臭、
表示の確認、
必要に応じて試料をとって化学分析、
細菌検査など
が行われるそうです。
検疫所の食品審査に合格すると、
税関に送られ税金を納めます。
そして 輸入が認められ市場に出るという流れです。
■その後の抜き取り検査
市場に出たあとでも検査は行われます。
全国の保健所や検査機関では国産品・輸入品を問わず、
食品衛生法にもとづく市場からの食品の
抜き取り検査を定期的に行い、
残留農薬・食品添加物などについて調べています。
1999年の厚生労働省がまとめた結果では、
国産品・輸入品全体で392,752件が検査され、
うち2,763件(全体の0.70%)から農薬が検出されました。
気になるのは、国産品と輸入品の
「残留基準値をオーバーした」農薬検出割合ですよね?
まず、残留基準値が設定されている農薬を使用した20数万件の検査のうち、農薬が検出されたのは0.94%。
内訳は国産723件、
輸入1,528件です。
そのうち基準値をオーバーしていたのは56件。
内訳は国産21件、輸入35件でした。
…ううむ…国産神話が崩れた結果ですね。
国内に流通している農産物中の残留農薬のレベルは、
輸入・国産を問わずかなり低く、
輸入品だからといって、安全性に問題があるという根拠はありませんでした。
食品中の残留農薬検査結果(1999年)
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(2004)
参考/引用
写真は「飽食の予言(岡庭昇 著)」より
写真は「飽食の予言(岡庭昇 著)」より

