#38 田んぼがなくなると…
■環境不調和の影響

和歌山の県議会の方がおっしゃっていたそうです。

「河川がすぐに氾濫するようになった」
と……。


理由は分かっています。
山の水田が耕作放棄され、水田の保水機能が働かなくなったからだそうです。

なので、河川工事をして堤防を高くしないと洪水になってしまう。
だけど、高い堤防で町の美観を損ねる。


………


なら、田んぼを維持していく方が安上がりだし、景色もいいやないか(*゜▽゜


ひとたび、作物を作るのをやめて放置すると、
すぐに雑草や灌木などが生えてしまい、復活には大きなコストがかかります。

だから、なにより土地が放棄されないように、
農業を継続することが大切です。

そのための努力の一つが、国内生産の農産物が、
国内で消費することです。  


■棚田、この美しきもの

全国の水田の約1割が棚田と言われています。
狭い日本の土地の中で、重機も使わず、
先人たちが山を段々に切り開き、作った水田です。


見たことある?とっても綺麗よ。
⇒棚田学会さん


急な斜面のため、機械化は不可能。
高齢化が進むにつれ、耕作放棄地が加速度的に進みました。

1995年、棚田サミットが開かれ、
これをきっかけにマスコミにも紹介されるようになりました。

険しい斜面を切り開き、丁寧に作られた棚田。
ここで、脈々とコメ作りを続けてきた日本人。

その先人のひたむきさには、脱帽。

人の心を和ませ、安らぎを与えてくれる。
この風景を求め、今多くの人が棚田を守ろうと働きをかけ始めました。

農業体験、グリーンツーリズム……

国産の食材を選ぶことが、
環境と国土を保全し、文化的遺産を守ることにつながるのです。



■生き物との共生

ご飯茶碗1杯の米粒。
だいたい、3000粒〜4000粒と言われています。
それは、稲で言えばだいたい3株。

この3株のまわりに、オタマジャクシは約35匹、
ミジンコは約5000匹生息しているそうです。

農林水産業は、
河川の氾濫、景観の保持、心の安らぎの供給以外にも
多くの生き物への生育環境の提供、生態系の形成と維持にも貢献しています。

しかし、農薬や化成肥料をやりすぎたり、
コンクリート製の水路を作ったり、ということだと
生物多様性はちょっと無理があるかもしれません。

なので、冬場も水田に水をはってすみかを提供したり、
環境に調和した水路を作ったりと
手間のかかる取り組みが必要になってきます。

生産者にそういったやり方を実践してもらうこととともに、
消費者においても、そういう取り組みで生産された農産物を選択してもらうことも大事です。



■生き物認証マークの例

・兵庫県豊岡町
コウノトリをシンボルにブランド認証
コウノトリの舞
「コウノトリの舞」認証ロゴマーク(豊岡市Webより)



・滋賀県
生き物認証マーク
生き物認証マーク
(滋賀県Webより)



・宮崎県大崎市
ふゆみずたんぼ米
ふゆみずたんぼ米



・神奈川県小田原市
桑原めだか米

・滋賀県
魚のゆりかご水田米
魚のゆりかご水田米
(滋賀県Webより)


・山形県
庄内米 めだかのお米



(2009.3.14)

引用
食料自給率の「なぜ?」末松広行