#31 食料市場を支配するエコノミック・ヒットマン
■米国工作員現在の食料危機を招いたのは、
| ・米国主導の大規模開発 ・エコノミック・ヒットマンの暗躍 |
であることは間違いないと言われています。
エコノミック・ヒットマンとは、さまざまな手段を用いて
開発途上国の指導者たちを騙し、アメリカの利益を追求するエージェントのことです。
エコノミック・ヒットマンの基本戦略
| まず、石油や鉱物、穀物、飼料など、豊富な資源を持つ途上国に、 「世界銀行の融資を受けて近代化したら、イキナリ経済成長できるよっ!!」 と持ちかける。 |
| でも、実際は、融資で潤うのは米国企業と現地の一握りの富裕層のみ。 |
| 国自体は巨額の債務を負って、米国の言いなりになってしまう。 |
「米国のために途上国から収奪せよ。」
こんな任務を背負ってエコノミック・ヒットマンは世界に派遣されているのです。
多数の人々が飢えに苦しむ一方で、食品価格の上昇により利益を受けているのは、
巨大アグリビジネスとエネルギー企業ですものね。
■過去例:逆らうとどうなったか
1970年代、南米グアテマラでは、
人口の3%の層が国土の70%を掌握していました。
背後には、アメリカ系のユナイテッド・フルーツ社がおり、
パパブッシュが最高幹部の一人にいました。
(しかも、当時この人は国連大使)
アルベンス大統領は、中南米の農地のほとんどを支配する彼らに逆らい、
大胆に農地改革をしました。
しかし、「共産主義の手先め!」とクーデターで失脚。
共産主義大嫌いが名文句のアメリカの、CIAが支援したクーデターでした。
パナマの英雄・トリホス将軍と、
エクアドルのロルドス大統領は
いずれも1981年に「飛行機事故」で死亡。
背後でCIAの関与が噂されました。
このように、米国の収奪に反旗を翻す指導者は、潰されていったのです。
■現在も暗躍
現在の例で、わかりやすいのは、ミャンマーだそうです。

【ヤトロファ】
果実に含まれる種子は約50%が油。、4粒で致死量となるほど毒性が強い。
石鹸や解熱剤、ロウソクなどの原料として使われているそう
毒性があり、食べることのできないヤトロファという植物があります。
石油に代わる新世代燃料として、各国企業が注目している植物です。
ミャンマー軍事政権は、農民に対し、
コメからヤトロファに生産転換を強制しました。
結果、ミャンマーの食糧自給力を低下させ、
サイクロンで苦しむ国民の状況がさらに悲惨になったのです。
「このような理不尽な政策には、
エコノミック・ヒットマンがからんでいると考えたほうがいい」
と言うのは、自身がエコノミック・ヒットマンだった元工作員。
遺伝子組み換え作物(GMO)を推進しているのも、エコノミック・ヒットマンと見てもいいそうです。
世界最大の遺伝子組み換え産業であるモンサントは、
1回、種苗を購入したファーマーに、その後もずっと『ライセンス料』を要求します。
ファーマーがそれに従わなければ、「特許侵害訴訟」を起こします。
エクアドルの石油開発は、70年代に「奇跡」と呼ばれていたそうです。
しかし、その石油開発によって、
最貧困層は50%→70%
失業率は15%→70%
国家の負債は2億4,000万ドル→160億ドル
になりました。
恐ろしい、エコノミック・ヒットマン。
彼らが関与する商品を見極めることができるなら、
不買も心がけることもできるのですが…。
(2008.6.15)
引用
SAPIO 6/25号
SAPIO 6/25号

