#30  コメの急騰と輸出国の抱え込み
■共産国家の対応

重慶にはフランスの大手スーパーである「カルフール」が出店しています。

2007年11月、同店が「コメ、小麦、油、卵など」の特売を実施すると宣伝したら、
キャパシティーを超える人民が押し寄せ、
将棋倒しとなった客から死者が出るまでの惨事となりました。


この事態で、中国政府が出した「御触れ」は以下。
油、コメ、粉(小麦)、卵などの生活に欠くことのできない食品は、安売りの広告を出してはいけない。

…日本では、考えられないですね!


人口13億人を抱える共産国家の政府が恐れるのは、
人民が腹をすかせたことで暴動を起こすこと。

人民の腹を満たすことを念頭に、
食糧供給と価格維持に気を使っているのです。


アジアにおける米価の高騰は、異常です。

コメ輸入国であるフィリピンでは、コメを求め長蛇の列。
貧困層はイモややバナナを主食の代わりにしている状況なのだそうです。

戦後の日本のようですね。


■コメ急騰の理由

世界最大のコメ輸出国、タイ。
このタイの国内でさえも、ここ3ヶ月で米価が2倍にも高騰する異常事態が起きているのです。

機構も安定していて、収穫量は横ばい。
売るほどあるコメなのに、なぜ高騰したのか?


それは、輸出するコメの量と価格が上がったので、
国内に出回るコメが不足したから
だそうです。

なんと、、、自国の国民の生活を圧迫するほどに売ってたってことですか?
それは、元も子もない。。

それほどまでに、輸出米の取引価格は上がったのです。
その原因は、小麦価格の高騰と「インド」にあると専門家は見ています。


■インドのインフレ抑制の波及

ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字をとって称される新興工業国、BRICS。
この4カ国の人口をあわせると、30億人!!
その経済成長に伴う消費資源量は、世界を圧迫します。


インドは、タイに次ぐ世界第二位のコメ輸出大国。
ナンばかり食べているイメージがありますが、
実は、主食はコメと麦の二つを両有しています。


経済成長の著しいインドでは、年間のインフレ率は7〜8%。
小麦価格高騰によって、一緒に米価も高騰。
そして、
インフレを悪化させないために、国内米価の維持のために輸出をストップさせたようです。


そして、追従して世界第三位のコメ輸出国であるベトナムも輸出を停止しました。

主食のコメを輸入に頼っている国々は慌て、
世界に流通するコメの需要が高まり、米価は一気に高騰したようです。



■国力ない国は、滅びます

このように、コメが決して不足していないのに、売ってくれないという状況になってしまいました。

足らないわけでもないのに、国連が「フード・クライシス」なんて煽るから…
足らないわけでもないのに、アメリカ農務省が「世界的なコメ不作予想」なんてするから…


輸入国は、より多くの備蓄を欲し、相場は高騰しています。

中国も、輸出禁止とまではいかずとも、
コメ・麦等の主要食料には最大25%の関税をかけて
物価の上昇を抑えています。

しかし、デフレ対策の政策で日本の食卓が脅威にさらされることは目に見えています。


「減反政策見直しを」官房長官表明

町村信孝官房長官は31日、都内で開いた国際会議「ラウンドテーブル・ジャパン」で講演し、世界規模で深刻化している穀物価格の高騰問題に関連し「世界で食料不足の国があるのに日本でコメの減反(生産調整)をしているのは誠にもったいない話だ。減反政策を見直していく必要があるのではないか」と述べた。コメの生産量を増やし、輸出などに振り向けるべきだとの考えを示したものだ。
 政府高官が穀物価格の高騰などへの対策として減反政策見直しに言及するのは初めて。すでに欧州連合(EU)では穀物価格高騰を受けて減反政策の完全撤廃を検討。自民党内でも「日本の活力創造特命委員会」(委員長・谷垣禎一政調会長)が減反見直しを提言する方向で、政府・与党内の論議が加速しそうだ。
(NIKKEINET 06月01日)



お米たくさん食べる→減反不必要→自給率上昇 首相語る

 福田首相は1日、首相公邸前で記者団に米の減反政策について問われ、「たくさんお米を食べて、減反をしないで済むようになれば自給率は自動的に上がる。まずはそれをやりましょう。できることからやりたい」と述べた。町村官房長官は5月31日に「減反政策を見直していく必要がある」と語ったが、首相は政策見直しには言及しなかった。
 一方、5月30日に発足した自民党食料戦略本部の本部長を務める加藤紘一元幹事長は1日のフジテレビの番組で「お米は余っている。それよりも大豆や小麦を作らないといけない。『農業は米だ』というこびりついた発想だ」と町村氏の見直し発言を批判し、自給率の低い大豆や小麦などの安定確保のため、国内生産のあり方や輸入ルート確保策の検討が必要だと指摘した。
(asahi.com 2008年06月02日)



(2008.6.14)
引用
SAPIO 6/25号