#20 依存は循環を崩壊させる
■政府も危機感?のポスター日本は、唯一自給できるコメも、生産過剰のため40%も生産調整しています。
これは国民のコメ消費構造が大きく変化しているためなのですが、
不足している作物に転換して定着させる努力をもっと行わなければならないでしょう。
東北農政局のポスター→
麦や大豆、家畜の飼料は圧倒的に海外に依存しています。
しかもそれらの輸入は関税ゼロで、輸入抑制できない実態にあります。
いっそうの市場開放が求められるなか、
このままだとさらにこれらの自給は下がると見られています。
アメリカ牛のBSE発生で、日本は大騒ぎになる事態が生じました。
牛丼チェーンの一挙手一投足に振り回される人の多さに唖然とした人も多いでしょう。
新鮮な野菜が食べられるのは、周辺に乳牛や肉牛がいるから。
というのも、乳牛の糞尿が堆肥となって畑に還元され、牧草の育成につながるからです。
こうした自然の循環が維持されてこそ、安全な農産物が供給できるのです。
これ以上の海外依存は、この循環を崩壊させます。
日本はもう、限界にきていると思います。
■世界的な食料安定をめざして
世界的な食料備蓄機構。
これはまだ実現していません。
世界には8億人もの飢餓人口が存在しているにもかかわらず、
そのための食料確保は前進していません。
しかも、人口増大、爆食中国、地球温暖化による異常気象の傾向…
そういったことで、世界的な食糧不足が現実のものになろうとしています。
発展途上国は、土地が貧しく、
技術レベルも低く、灌漑などの基礎整備の投資もできないので、いまだに途上国です。
新大陸型(原住民無視の剥奪型)の豊かな国土条件を持った先進国は、
自国の生産者に補助金をかけて生産を拡大し、
途上国に「買えよ」と輸出攻撃をかけてきます。
そして、途上国のわずかな生産物は買い手・輸出先を奪われ、価格の下落に苦しんでいます。
1993年、メキシコ・カンクンでWTOの閣僚会議が決裂しました。
引き金になったのは、綿花。
アメリカは自国のわずが2万5000戸の綿花農業に対して、
30〜40億ドルの補助金を出し、世界の綿花貿易量の半分を占めています。
中央アフリカ諸国の1000万戸にのぼる綿花農家は、
良質な綿花を生産しているにもかかわらず、低価格に苦しみ、
1日1ドル以下の生活を強いられているのです。
インドネシアで経済危機が起こった際は、
IMFからの資金融資の条件として
インドネシアはアメリカから鶏肉の関税引き下げを押し付けられました。
その結果、アメリカ国内では需要が無い「手羽先」が
インドネシアに大量に入ってくるようになりました。
そして鶏肉価格は大暴落。インドネシアの養鶏業を破壊に追い込みました。
結局、農業における国際化は、
アメリカなどの多国籍企業のひとり勝ちなんですね。
(2008.3.19)
引用
「農と日本の再生計画」山田としお
「農と日本の再生計画」山田としお


