#19 国内自給のメリット
■完全自給はもともと不可能

日本の食料自給率は、カロリーベースで39%。
穀物換算では28%です。

ここ30年来、消費が増えてきている肉類、乳製品のもととなる飼料穀物を
圧倒的に海外に依存していることも、この低さの原因のひとつです。

日本はなんと、国内の農地面積の3倍以上にもなる
1200万ヘクタールの農地を海外に依存
していることになります。


平成17年に、「食料・農業・農村基本計画」が策定されました。
この中で、平成27年までに日本の自給率を45%まで向上させようと目標を立てています。



日本は面積的に、1億2000万人もの食料を完全に自給するのは不可能です。
しかし、国民の多くも、
「可能な限りは国内で自給するのが望ましい」(総理府世論調査)
と答えている人が80%以上に上っています。


■食料の国内生産にこだわる理由

自給のメリットをあげてみましょう。
1.農業生産は、食糧生産にとどまらない多面的な機能を有している
水田農業は、雨を貯水して洪水を防ぎ、地下水を涵養し、新鮮な空気を生み、美しい景観を維持しています。

2.いざというときの食糧不足を解消できる
平成5年のコメ不足のときに大きな混乱を避けられたのは、一定の国内生産があったからです。

3.人間の健康に結びつく食の安全や安心が確保できる



中国産野菜の残留農薬、イギリスで発生したBSE、アメリカ牛の輸入禁止問題など、
海外では安全を脅かす問題が発生しています。


日本は世界一の食料輸入大国です。
どうして、ここまで海外への依存を許してしまったのでしょうか。


それは、貿易立国としての実力もあって、
海外から食料を買う力が今のところある、ということ、

主食のコメについては自給を実現しており、
大凶作以外では危機を感じたことがないということ、

戦中に飢餓を経験した世代が少なくなり、
戦争のない平和のなかで国民の大半が飢餓を実感していないこと

などがあげられます。


ヨーロッパの国々では、
第一次、第二次世界大戦の経験を活かして食料の自給を高め、
政府も国民も食料の国内生産の必要性を世論としています。

日本の現実に同情しながら、ヨーロッパの人たちは
「それで国の独立が保てるのか?」
と不思議がるそうです。



ふっ。

ヨーロッパの皆さん。
日本は独立国家ではありませんよ。
宗主国アメリカさんがいてくれなきゃ生きられませんから。

そう言ってあげましょう。


食料の海外依存を許した理由に
「終戦後、防衛面だけでなく食料もアメリカに依存したこと、
農産物輸出国家であるアメリカの国家戦略にのったこと」


もあげておいてね。


(2008.3.19)


引用
「農と日本の再生計画」山田としお