#18 コメ再考H 米離れと、グローバル化
■村の契約農家からの買取り海外では、大型村をはるかに超える規模でコメ作りが行われています。
広さ、およそ1200ha。
アメリカ最大のコメ輸出基地 カリフォルニア・サクラメントバレー。
この農場では、大潟村と同じあきたこまちが作られています。
生産コストは、日本の3分の1。
市場が開放されれば、日本の農家はこうした安いコメと競うことになります。
大潟村のコメ農家、涌井さん59歳。
村で最も大きい、53haの田をもっています。
広さだけでは対抗できない、と
コメに大きな付加価値をつけて、グローバル化を乗り切ろうとしています。
涌井さんは、コメの販売会社も経営しています。
村の契約農家、200件から、農薬を減らして作ったコメを買い取っています。
買い取る価格は、農協を通した価格を上回る、
60キロ15000円。
併設している研究所で、コメに必要以上の農薬が残っていないか、徹底的に調べます。
安全性を追求し、付加価値を高めたコメを、
最高、10キロ7500円という値段で、通信販売しています。
無洗米や発芽玄米などのヒット商品をてがけ、売り上げを伸ばしてきました。
「農業は知恵でやる。本当は脳業と言葉をかえないと。
農業は、脳みそでやるもの。面積じゃない。」
しかし、最近、その売り上げに陰りが見えてきました。
電話で営業に当たる、コールセンターでは、
ピーク時には、通信販売の顧客は30万件に達していました。
現在は、5万件にまで減少しています。
消費者の米離れに加え、安いコメが市場に出回るようになった影響があると、
涌井さんは見ています。
8月、涌井さんは新たな戦略を打ち出しました、
通信販売だけでなく、店頭での販売にも力を入れることにしたのです。
この日、営業スタッフを東京の中堅スーパーに派遣しました。
「生産者が作った会社ですので、それなりに強みもありますので…」
あきたこまちというブランドと、安全性を前面に打ち出し、
店で扱ってもらえるよう、売り込みました。
しかし、商談をまとめることはできませんでした。
農協が支払うコメの金額が、今年も下がると発表された日、
不安の広がる中、涌井さんは農家を集め、
今後もこれまであたり60キロ15000円で買い取ることを約束しました。
しかし、コメの価格が下がり続ける現実を、
農家の人たちは厳しく受け止めていました。
「15000円が12000円になることは、想定内。覚悟しなければならない。
モデル農村がやっていけないという日本の農業政策なら、
日本の農業は、コメ農家は潰れる。」
収穫の秋を迎えた、大潟村。
涌井さんは今年、村の農家から9000トンを買い取りました。
米離れと、グローバル化が進む中で、
必死の売込みがつづきます。
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農業の現場にあったのは、
額に汗して懸命に働いても報われない、農家の姿でした。
高齢化と後継者不足に加え、米価の下落が追い討ちをかけ、
農家を廃業する人も増えてきました。
日本人の主食を支えてきた農業。
それを取り巻く風土や文化までもが荒廃しつつあるように感じます。
そして、そこに押し寄せてきているのが、グローバル化の波です。
日本でしか作れないと思っていた、高級米のコシヒカリが
世界各地で生産されているのです。
コメの自由化に備え、各国が虎視眈々と日本のマーケットを狙っているのです。
こうした動きに対して、国は
大規模化によって国際競争力のある農家を育てる
という政策をスタートさせました。
しかし、この政策で農家が本当に生き残れるのでしょうか。
日本の食を取り巻く現状を見てみると、
もしかしたら将来、日本のコメを食べられなくなるのではと感じます。
そして、こうした現状は今も
都会の消費者にきちんと伝えられていないのです。
(2008.3.13)
引用
NHK「ライスショック」
NHK「ライスショック」

