#15 コメ再考E 取り残された地域
■補助金なくして

集落内の田んぼの面積が足りず、
大規模化から取り残された地域もあります。

秋田県荒川地区。
24件がコメ作りを続けています。
私たちが食べているコメの4割は、山あいにある中山間地で作られています。


小野寺さん69歳。
山あいの60アールの田であきたこまちを作っています。

小さな田んぼから上がる収益は、ごくわずかです。
今回、大規模化の政策から外れたことで、
コメ作りにかかわる国からの支援がほとんど受けられなくなります。


それでも、コメ作りをやめるつもりはありませんでした。
祖父の代から少しづつ切り開いてきた田んぼを守りたいという気持ちがあるのです。


田んぼに引いているのは、当時から変わらない、山の水です。

「これは、山から直接降りて来る、
全然混ざりけのないミネラルウォーターだ。汚水は入っていないから。」

自慢の水をひき、手塩にかけて育ててきた、あきたこまち。
大規模化とは無縁の、この小さな田んぼで
小野寺さんは50年間、コメを作り続けてきました。

「収量はないけど、味は良いということできている。
みんなに喜んでもらえるものを作りたいという思いはある。」


小野寺さんはコメ作りだけでは生活できないため、
田んぼの一部をつぶし、りんごを栽培しています。

収穫したりんごは、一袋500円で、自ら売り歩きます。


一軒一軒を訪ねてつかんだ売り上げ。
こうして暮らしをつなぎ、コメを作り続けています。



町役場の職員が、集落の取りまとめ役である小野寺さんを訪ねてやってきました。
今年度分の補助金の査定状況が報告されました。

大規模化しなければもらえなくなる補助金が多くなり、
家庭は厳しいものとなりました。

「情けないけど、前へ進むこともちょっと考えられなくなっちゃった。今は。

ここにいて、最小限の生活をしてても、
みんなでおもしろくやれればと、そういうかたちに持っていければな、と…

(でも今)何やればいいかっていうと、ちょっと見当がつかない。」



コメ作りに必要な支援が次々と打ち切られていきます。
山合いの小さな田んぼは、改革に揺れます。

(2008.3.13)


引用
NHK「ライスショック」