#10 コメ再考@ このお米、どこ産?
「ライスショック」という番組が、先日NHKで放送されていました。 
今食卓にのぼるのは、日本のコメだけではないという状況、それを見て日本人は一体どう思ったのだろうか、気になります。

■日本人の主食「だった」コメ

日本の食料自給率推移
農林水産省による
日本の食糧自給率は、先進国の中で、最低。
しかも、下がり続けています。

39%という数字を、かろうじて支えているのが、主食であるコメです。
そのコメを、これからも保護する必要があるのか、ないのかという選択肢が出てくるほど、
日本人はコメを食べなくなりました。



例えば、とある、企業の給食弁当。
一食300円から400円で食べられます。

しかし、この安さの裏には、熾烈な価格競争がありました。


返却される弁当箱の、食べ残されたご飯の量が年々増えてきており、
残飯が増えるようになったので
一食あたりのご飯の量を2割減らしたそうです。

しかし、それでもまだ残されている。


「客は、だんだんコメを食べなくなってきている…」


客のご飯離れが進む中で、給食の契約を維持するには、
さらにコストを切り詰めざるをえません。

その企業は、より安いコメがないかと卸売り会社に求めました。
すると、中国のサンプル米が届きました。


むちゃくちゃ安い。


味や安全性に不安があったことから、
これまでは国産のコメしか使っていませんでした。

しかし、競争が激しくなる中で、
とにかく使えるかどうか
とりあえず試食をすることになりました。

結果は…、


「予想よりずっとおいしい。」


すべてを中国産に切り替えれば、
年間で6000万円、コストを下げることができます。

生き残るためには、使わないといけない状況になるかもしれない。
なるべくなら、使いたくないけど…。

この会社では安全性が保障されるなら、
今後は導入も検討したいと考えたそうです。



■外国産のコメを使っているのは…


日本人のコメ離れ、そして外国産のコメが使われ始めている現状は、
流通の現場で顕著に現れています。

このところ、コメの価格は毎年のように下がり続けています。
それでも、販売量は減っているといいます。


「いったい日本人は何を食べているんだというくらいに、販売量は落ちています。」
コメの流通業者はため息をついて言います。



日本人一人当たりのコメの消費量は、
1960年では年間120kgでした。


それが、2006年度では、60kgあまり。

この半世紀で、ほぼ半分に減っています。



しかし、そんな状態なのに、
安い中国産のコメには新たな注文があるといいます。

ここ数ヶ月で一気に増えたのは間違いないそうで、
食堂、レストランなどが
「とにかく安いコメを!」と求めているそうです。



外国産のコメの輸入が始まったのは、1995年。
貿易の自由化を促進する、
WTO=世界貿易機関が発足した年からです。


それ以前の日本は、外国産のコメの輸入を、
一部の例外を除き、認めていませんでした。


WTOに加盟したことによって、
国内のコメ消費量の約1割を輸入する義務を負いました。


2006年度、日本が受け入れたコメは、およそ77万トン。
アメリカやタイ、中国などから輸入されています。



■やっぱりアメリカに狙われた

2007年9月
ライスサラダ
▲モチモチ感のなさでライスサラダにおすすめとされている。日本市場が安い中国産に押されていたところ、USAライス連合会日本代表事務所は「このままで は太刀打ちできない」と方向転換。「米の新しい食べ方の提案」として、日本の米とはまったく食感の違う「カルローズ」に白羽の矢を立てました。


今のおせんべいのコメって中国産??
▲今のおせんべいのコメって中国産??


日本酒までもが…
▲日本酒までもが…

アメリカの生産者団体が最も輸出に力を入れているコメ、「カルローズ」が
日本のスーパーに並び始めました。

世界40カ国に輸出されている品種で、日本の市場に出るのは初めてです。
大手外食チェーン店では、早くも、このコメを使い始めました。

今の若い人たちが好む料理に合う味だと判断したからです。

世界各地のコメを売り物にする店も出てきました。

こうした、主食用の輸入米。
すでに、年間10万トンが、私たちの口に入っています。


一方、加工用にも、多くの外国産のコメが使われています。
とある大手製菓会社では、
4年前から輸入米を使い始めました。

コメ菓子の上位10社のうち7社が、輸入米を導入しています。




決められた輸入枠以外で入ってくるコメもあります。
アメリカで冷凍加工された弁当も、そのひとつです。

安い価格と、アメリカのコメを使った弁当であることが、当時大きな話題になりました。


この弁当、材料のほとんどがアメリカ産です。
アメリカ外資なのでしょうか。
いえいえ、筆頭株主は「東日本旅客鉄道株式会社」でした。


加工されたうえで輸入されコメ製品は、
この10年余りで、40%以上増えています。

日本酒でさえ、アメリカのコメで大量に作られています。


アメリカの安いコメに目をつけた日本の酒造会社が、
現地の工場で生産しています。

このところの日本食ブームで、
このアメリカ製の日本酒が、世界各国へ輸出されているのです。


(2007.11.10)


参考/引用
NHK「ライスショック」