#03 食糧不足はいつ来る?
■オレンジ高騰のワケ2007年5月から、大手飲料メーカーの果汁入り飲料の値上げが始まるようです。
最近話題となっている「バイオエタノール」が、
値上げの大きな要因のようです。
バイオエタノールはガソリンに混ぜることで、自動車燃料としても使える、
新たな燃料用エネルギーとして注目されています。
また、二酸化炭素を新たに排出しない*ため、
地球温暖化対策のひとつとして、日本政府も力を入れているようです。
*植物を原料とするバイオエタノールを燃やして二酸化炭素を排出しても、
原料の植物が二酸化炭素を吸収するから総量は増えないということで、
京都議定書では、バイオエタノールを利用しても二酸化炭素の排出量にカウントしないルールになっているよう。
このバイオエタノールの原料である、サトウキビやトウモロコシをめぐって、食料事情に大きな影響が出ているようです。
世界のオレンジ果汁生産の6割を占めるブラジルでは
バイオエタノールの原料となるサトウキビへの転作が進み、
世界的なオレンジ生産量の減少につながっている(日本果汁協会)ということです。
トウモロコシにおいては、需要過多により価格が急騰したため、
これを飼料としている牛乳や鶏卵の価格にも影響がでてきます。
また、不足しているトウモロコシ栽培のために、熱帯雨林を伐採していきます。
(それで二酸化炭素吸収率が減ったら元も子もない…)
現在、世界中で約8億人が栄養不足の状態にあります。
世界で燃料として使用されているエタノールを穀物に換算すると
約3億人分の食糧に相当する(NPO談)そうです。
途上国の生活レベルが上がり、肉類を食べるようになると、
ただでさえ不足している穀類が飼料に回されるため
世界の耕地面積では生産が間に合わなくなります。
2000年に61億人の世界人口が2025年に79億人、
2050年には93億人に達する見込みです。
日本の食料を将来的にも海外へ委ねていることは、楽観できません。
円が強いうちは良いのですが、確実に食料不足になるでしょう。
さらに「そのような状況下で食料自給率は50%程度が必要(農水省)」だそうですが、
現在の40%を50%に引き上げるには、多くの農地が必要となります。
日本は平成22年に45%の達成を目指しています。
■国際競争力の中、「ニーズ重視の農業」へ
農業生産の努力目標として、
国内で生産されたものが消費者や実需者に選択されることにより、はじめて実現される、
ということがあげられます。
これまで農家は、作りやすいものとして米を作り、国が買い上げていたために、
品質やニーズを考えてはいませんでした。 これからは、
「必要とされているもの、外国産に負けない品質と価格のもの」
を作ることが課題とされています。
農家にとっては厳しいものです。
自給率が著しく低いことから、政府は小麦と大豆が戦略作物だと位置づけています。
小麦については、日本の気候条件にあう小麦は麺用の小麦ですが、
外国産に比べ品質とコスト面で劣っていることが問題とされています。
品質面で問題がない大豆については、
産地や集荷ロットが小さく品質が均一でないこと、価格が高いことが問題とされています。
■テロが起こってちょっと目覚めた?
日本の、主要農産物の国別輸入割合を見ると、
米国は37%と約4割を占めています。
9.11テロが発生した時に農水省は
アメリカから、依存している農産物がはたして輸入されてくるのか…
と不安だったようです。
空港閉鎖のため、船での輸入となりました。
価格が高騰すると思いきや、
穀類は米国の景気後退不安で値を下げるものもあったそうです。
それ以降、不測時における食料安全保障として、
国内の農業生産の増大を図ること、そのほかにも、
輸入と備蓄とを適切に組み合わせて行う不測時対応も練られるようになったようです。
しかし、食料不足が実際に起こり、
その事実を知ったときの国民への対応が気になりますね。
食料不安、そしてパニックもまた、恐ろしいものです。
情報収集とその提供の仕方が重要でしょう。
クレージーな国がミサイル撃ったり核実験したり宇宙で破壊活動してますけど
日本政府はもう、そのマニュアルできたのかな?
(2007.5)

