サトウキビ畑が半永久的な“油田”に変わる!?

サトウキビ畑が半永久的な“油田”に変わる!?

■40年前から“脱石油” 「燃料選択の自由」を得たブラジル

2005年、フォルクスワーゲンが、ガソリンとエタノールをどのような比率で混合しても燃料として使える『フレックス燃料車(FFV)』を発表。
人々はガソリンとエタノールの価格を比較し、得な方を購入することができる。
今では新車の85%を占め、国内を走る車の約半数がFFV。

 

■世界最大のサトウキビ生産国で、ブラジル最大の財閥とタッグ

双日が最初にブラジルとの事業を始めたのは、60年以上も前。
06年、双日エネルギー金属部門事業開発室は、再生可能エネルギーの開発に取り掛かるかかる。

バイオエタノール事業のパートナーとなったオーデブレヒト社は、
これからを見据えて“新たな柱”を欲しがっていた。
そこで偶然、研究を進めていたのがバイオエタノールで、双日の思いと合致した。
06年12月、両社はETH社を設立し、事業を開始。

ブラジルのバイオエタノールの生産量はアメリカに次ぐ世界第2位。
5つのエリアで9つの工場を稼働させている。

 

■“バイオ燃料悪玉論”をものともしない?サトウキビが優れている3つの理由

飢えに苦しむ人々から食料を奪ってまでエネルギーを作るべきかという“バイオ燃料悪玉論”がある。

しかしサトウキビは“嗜好品”としての存在感が大きいため、
トウモロコシやジャガイモと少し受け止められ方が異なる。

また、ブラジルにおけるサトウキビ原料の砂糖の生産量は世界の40%を占めており、
食料としての役割はすでに十分に果たしているといえる。

そしてサトウキビは、絞った段階で糖分を取り出せるため、
トウモロコシやジャガイモに必要な糖化の工程をスキップできる。
(トウモロコシ糖化作業:約24時間 サトウキビ発酵時間:約8時間)

また化石燃料を1投下したときにエタノールができるは効率は
トウモロコシ2:サトウキビ8~9。効率がはるかに高い。

さらにサトウキビの絞りかすをボイラーの燃料としているため、無駄がない。
うち30メガワットは自工場で使用、残りの100メガワットは外へ売電している。

 

■天候リスクと戦う農業的側面も

比較的他の作物より天候リスクはマネジメントできる作物であるものの、
高温多雨の状態が続くと、育つ一方でエタノール原料の糖分が蓄えられない。

年間を通して安定的な供給を可能にするため、複雑なプランニングを行っている。
5つのエリアで9工場を配置するという「クラスター戦略」。

また、1万3800人という現地従業員が24時間フル稼働、4直3交代制で生産は支えられている。刈取りの機械化率を100%にして、女性でも作業を安全に行える配慮をしている。

2014、15年にはサトウキビ由来のエタノール生産量世界一になる予定だ。
日本への輸出にはまだハードルが高いが、
未来のエネルギー技術がすでに日本企業の手の中にある。
2012年6月20日
http://diamond.jp/articles/-/20237?page=4